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2025/11/15薪投入量はその薪ストーブに見合った量を入れてください

薪ストーブを設置させて頂いたお客様で、「思っていたほど暖かくない」と仰る方が極稀にいます。

当店は薪ストーブを展示燃焼し、お客様にご体感頂き「これなら大丈夫!」と思って頂いてから販売する事を大事にしています。

展示場で感じた熱量とご自宅で感じた熱量との差異が大きければ、それは薪や薪の投入量が不適正なのではないでしょうか。

薪の乾燥は絶対条件です。未乾燥だと燃えない=すぐに熱にならない、ということで暖かくならない。

薪の適正量については薪ストーブが様々なサイズのラインナップがあって、大きいストーブほどスペックに記載されている熱量が大きくなります。

例えば当店で全3機種展示燃焼できるクアドラファイアのミレニアムシリーズ。

薪ストーブは薪を燃やさない限り発熱しないので、その暖かさは薪が頼りです。

単純な事ですが薪がたくさん入るストーブはより熱量がある、という事です。

熱量、というと単純に温度が高い事と勘違いしがちですが、薪ストーブの素材の耐久性の観点からもストーブ温度計で測る適温は、このミレニアムシリーズ大、中、小全て一緒です。

温度が一緒なのに熱量が違うというとどこが違ってくるかというと、「暖かい温度を維持できる火もちの持続性」が違ってきます。

 

思ったほど暖かくない、という方の使い方は、大きいストーブであるにも関わらず、薪を2本程度しか入れず、火もちが悪いので1時間くらいおきに又2本程度入れる。

という繰り返し。

私はそれを「チョロチョロ焚き」と言っています。そういう焚き方をしたかったのであれば薪2本程度入る薪ストーブを選べば良かったのですが、

思ったほど暖かくない、と改善に向かいたいのであればその薪ストーブに見合った量の薪をいれてください。

暖かい温度をより持続できます。

当たり前ですが大きいストーブは小さいストーブより薪の年間消費量は多い。その分大きい空間も暖められます。

薪ストーブの使い方は自然の摂理で単純に考えれば解る事が多い。

暖かい空気は上に行き、冷たい空気は重いので煙突内部が冷え切っていると重い空気がたちこめている状態でドラフトが働き辛いので、焚付を多めにして冷たい空気を一気に押し上げるイメージで焚く事が大事です。

外で焚き火するにも、薪2本より、薪5本の方が熱量も感じるし、熾き火がより持続しますよね。

人間がコントールする薪ストーブは自然の摂理で単純に考えれば、そりゃそうだよな、と腑に落ちる事あると思います。

余りに自然から離れた日常をしていない限り解ることですが、今後どうなることやら。

 

2025/11/12煙道内火災が起きた煙突を交換

他社で設置された煙突ですが、煙道内火災を起こして煙突内に変形が生じたという事で煙突交換の依頼を受けました。

パッと見た感じでは何も起きていないようですが、断熱材入り二重煙突部の内部が水膨れしたように変形したようです。

それは典型的な「煙道内火災」の症状で、煙突詰まりした煙突を強制的に燃やそうとすると煤に引火して煤が燃えて上がっていき煙突トップで噴火、という事が起こったと思われます。

幸運な事に家が火災にならなかったのは良かった事ですが、薪ストーブの使い方を根本から見直す必要があります。

煙突は国産煙突「SCS匠」に全部交換しました。

良い煙突でも使い方が悪ければ同じことの繰り返しとなります。

薪ストーブ歴20年のベテランのオーナー様に生まれ変わった気持ちで取説を聞いてください、と念を押しました。

 

基本的に煙突掃除は年一回で十分です。

しかしこちらのオーナー様は年に2,3回煙突掃除をして尚且つ煙道内火災を起こしているので、「常時不可全燃焼」な焚き方をしているという事が想像できます。

こちらで持参した薪を燃やして実演しました。

ビギナーでも簡単に完全燃焼出来るやり方です。

煙が立たないくらいに爆発的に燃やす事が大事で、その為に着火剤と細い焚付薪を使います。

勢い良く大きな火が出来たら、通常サイズの薪をストーブサイズに適した最大量投入します。

そしてストーブ温度計で適温まで上げる事が大事です。なぜなら完全燃焼するのにストーブ内部で500度~600度の温度が必要です。その温度が相対的にストーブ天板の温度で判ります。

親切なストーブ温度計にはBESTゾーンという表記がされています。かならずこの温度を目指して焚きましょう(ストーブの機種により天板の温度が上がらないものもあります)。

適温まで温度が上がったら空気調整レバーをしぼります。約9割くらいしぼるのですが、これも煙突長さや機種による違いがあるので微調整してください。

適温まで温度を上げるのは早ければ早いほど良いので焚き始めから30分くらいを目指しましょう。

後は放置です。

薪を追加するタイミングは機種にもよりますが2,3時間は入れなくても良いと思います。

追加する時はまた最大量薪をいれて、適温まで上げるという事の繰り返しです。

外に出て煙突から出る煙をチェックする事も大事です。

黒い煙が出てれば煤も直ぐに溜まります。

最初は薄白い煙から温度が上がって透明になるまでを確認して頂きました。

この焚き方を続けていければ煤も大して貯まらないし、煙道内火災なんてあり得ない話と思えます。

 

今回は煙突を交換する工事よりも薪ストーブリテラシー教育の方が大事な仕事と思っていました。

20年という長い時間で固まった考えを変えて頂く必要があったからです。

薪ストーブはあくまで人間がコントロールするものなので、使う人間が理解しなければいけません。

やはり取説の時間がこの仕事において一番大事なんだと思います。

 

こちらの動画は弊社ホームページ内にある「薪ストーブ簡単上から着火』です

動画を作った当時初めて買ったクラシックギターの音を録りたくて作曲演奏編集したものがBGMです。

動画の薪ストーブ「エクスプローラーシリーズ」は既に販売終了となっております。

 

 

 

 

2025/11/08煙突も大事な暖房の戦力

薪ストーブに必ず付随するものと言えば煙突。

安全性と安定したドラフト効果を得る為には断熱材入りの二重煙突を薪ストーブ直上に真っ直ぐ屋根に立ち上げるのが一番良い方法です。

この断熱材入り二重煙突ですが、断熱材で被覆されていても結構暖かい。触っていると火傷はしませんが熱いくらいなので、直ぐに外部に出すにはモッタイナイと思います。

以下の写真は最近設置した現場です。国産鋳物ストーブ「AGNI」+国産断熱材入り二重煙突「SCS匠」。

吹抜けを通して屋根から出る煙突を最低限にすれば、煙突を暖房の戦力として最大限活用出来ます。

吹抜けに煙突を通さなくても、例えば二階の寝室などに煙突を通せば寝室が暖かく使えます。

家の中心辺りに薪ストーブが設置されていれば、薪ストーブ+煙突により家全体に熱が巡り易く、他の補助暖房も要らないでしょう。

 

逆に悪い例として、煙突を暖房として使う為に横引きを長くして隣の部屋に煙突を通すような事はドラフトも得づらいし、煙突詰まりにもなりますし、メンテナンス性も悪い。

さらに暖房効果を得ようとシングル煙突にしてしまうと事態は悪化しますし、つなぎ目からタールが垂れてキツイ臭いは取れませんし、つなぎ目から火が噴き出て火災が発生なんて事もあります。

これは素人的考えでやりがちな事です。自己満足で済めば良いですが火災ともなれば大変なことです。

 

煙突を暖房の戦力として正しく使うのであれば、断熱材入りの二重煙突を薪ストーブ直上に真っ直ぐ立ち上げる事が正しい考え方です。

 

 

 

2025/11/04煙突囲いの劣化にも目を向けてください

あまりに忙しい時期を抜けて久々の更新となります。

なるべく薪ストーブユーザーに1ミリでも役に立つ情報を発信していきたいと思ってるブログなのでよろしくお願いします。

 

なにから書けば良いのやらですが、最近たまたま煙突囲いの改修工事を二件行なったのでその事を書きます。

持ち家ですと屋根や外壁のリフォーム時期なども考えますが、薪ストーブの煙突囲いというのも劣化が進めばリフォームを考えた方が良いです。

今回の現状の煙突囲いは以下の通りです。

重いコンクリート板にモルタルでタイルを貼り付けた煙突囲いです。

亀裂や

剥離が起き始めて、隣の家や人の頭に落ちたら大事故に繋がる恐れがあります。

この現状から、タイルなど撤去してガルバリウム鋼板で仕上げる煙突囲いリフォームを致しました。

まずは解体をすると下地の耐力壁が現れました。

見ると湿気というか水分が入っている感じでカビも発生しております。

このままリフォームせずに行けば崩れ落ちる事も有りうる事です。

以下はリフォーム後です。

煙突トップはお薦めのチムニーフラッシングタイプに変更してメンテナンス性を高めました。

肝心の煙突囲いは必要な下地処理防水処理をしてガルバリウム鋼板で仕上げました。

煙突囲いの持続性を考えた時、日本の環境からいって煙突囲いは水はけ雪はけが良いのと軽量で剥離亀裂が起こらないようなものが一番理に適っているような気がします。

ざらざらしたような質感の材料だと水はけが悪く、コケが発生して浸食がおきたりしますし、モルタルを使ったものは地震がおこれば亀裂がおこる事もあります。

剥離するものが屋根上にあれば危険です。

煙突掃除でいろいろ見てきているので、このガルバ仕上が一番安心な気がしますね。私の家の煙突囲いもこんな感じです。

屋根との取り合いはやっぱり職人の腕が大事ですし、水が上がってこないように雨押えをする事が大事ですね。

これで安心して薪ストーブライフが続けられますね。

 

2025/09/11かつての実家を週末の遊び場に

岩手県奥州市に煙突設置工事に行ってきました。

今回のお客様はかつての実家をDIYでリフォームしている現場でした。

冬場は寒いという事で薪ストーブをネットで数万で買ったものの煙突を安全に付けたいという事でご依頼頂きました。

現場調査に行くと厚めのタイルのステージが置いてありました。

ありがちな話ですが、床とか壁を重厚なものにしないとイケないという先入観があると思うのですが、床は厚みに関わらず不燃材であればいいし、壁もまた厚みに関わらず不燃材であれば良いです。壁に関しては厚みよりも空気層を設ける事が大事で建築壁と不燃材の間に空間をもつ事が大事です。

その話をしたところ既製品のスチールフロアプレートとウォールヒートシールドで遮熱することになりました。

煙突は風の影響を受けないよう二階の屋根より立ち上げました。

安いストーブでも安全に使えるようにするには煙突を中心に費用はかかります。

「安全に」という条件がなければ安くできるでしょうが、

当店では「安全に」というのが第一条件です。

 

 

 

 

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